ー2012年11月23日@ZEPP DiverCity 東京ー
時刻は確か17時を少し過ぎた頃だったと思う。
メンバーでの曲順ミーティングを済ませて各自の精神集中タイム中、僕はいつものようにi podでテイラー・スウィフトを聴いて集中を高めていました。会場内を映すモニターに目をやると、続々と集まり前方から順に埋まっていくお客さんの姿。彼らの背中には見覚えのあるプリントがズラリ、みんなツアーTシャツを着てくれている。 この瞬間に答えが出ました。
今までのTOTALFATが大きなステージに立つときやワンマンのときに背負う意気込みって、なんつーか、「50/50の勝負に打って出る」というか、「綱渡りして闘いにいく」ような感覚があって必要以上に意気込んじゃったり、肩に力が入り過ぎちゃったりしてたと思います。(それが良い結果に繋がっていたと思うけど)
今回のツアーファイナルは今までと何かが違いました。あくまでも自分的な感覚で。
ファイナルシリーズの大阪と名古屋のワンマンもそうなんだけど、なんか今までと感覚が全然違っていて、自分でもそれが何なのかずっと分からなかったんだけど、ただやたらと集中力が高まって、根拠のない自信があって、安心感があって、心の一番奥に「大丈夫」って超でっかい大弾幕が張ってあるようなそんな気分でした。。。
それが何故なのか答えが出たのがツアーファイナル本番スタートの1時間前。
(遅ぇよw)
オープニングの映像が流れて、アンプによじ上って立ち位置にスタンバイしてステージ幕が落ちた瞬間、自分の目の前に広がったあの光景は本当に素晴らしかった!ツアーの最終日だったけど、明らかに「何かがここから始まる」ことを確信して2段積みのアンプの上から飛び降り、「ROCKERS IN DA HOUSE!!」からスタートしました。
今回のZEPPワンマン公演は、オープニングからアンコール最後の曲が終わるまで、メンバー&スタッフ全員で曲順や演出を考えて本番当日直前まで試行錯誤が続いていたんだけど、全てが上手く表現できて、TOTALFAT史上もっとも内容の濃い素晴らしいライブになったと確信してます。
MCでも言ったけど、僕個人の目標&ある人との約束で「バンド10年の記念でZEPPワンマン」という目標があったんだけど、TOTALFATは今年13年目。結構遅くなっちゃったけど、いざあのステージに立ってあの素晴らしい景色を見渡したときに「急ぐ必要なんてなかった」って本気で思えました。
案の定MC中に感極まって(笑)・・・僕はもともと涙腺が劇的に弱いので何かあるとすぐ涙が出てしまうんだけど、この日に関してはたとえ涙腺が強かったとしても同じ濃度・同じ温度の涙が出ていたと思う。そのぐらい強く「バンドを続けて良かった」って思えたし、「みんなに出会えて良かった」と思えたんです。
アルバム「Wicked and Naked」をリリースして、初日7月12日の千葉LOOKを皮切りに全力で走って来たこの4ヶ月間、そこで最後に辿り着いたZEPPで振り絞った120分間。
何にも換えることのできない最高の時間でした。
僕らが音楽を通して日々体験しているあの時間とエネルギーを「音楽の力」とか「ロックの神様」とかいろんなセンスで形容してなんとか言葉に表そうとしているけど、無理ですね。あれに代わる言葉は見つからないです。そしてその言葉では言い表せない「あれ」がもの凄く究極の状態に昇華して、あの時あの場所で僕たち2404人のTOTALFATを確かに包み込んでくれたと感じましたよ、マジで。
自慢の仲間たち全員でつくった「あれ」、最高に気持ちよかったっす!!
ありがとう。
「信頼関係」"Faith"
ファイナル本番直前にやっと分かった「今までと違う何か」ってのはきっとこれです。
ステージに上がる前の不安を壊してくれたのはお客さんひとりひとりの存在でした。
ファンのみんながTOTALFATを信じてついて来てくれているように、僕もみんなの気持ちを信じて身も心も委ねることができるようになりました。感覚的に言うと「引っ張って行く」のではなく「一緒に進んで行く」感じ!これこそがバンドとファンとの信頼関係。
「こいつらとだったらどこまででも目指して走ってみたい」って思えたのが凄く嬉しくて、本番中は可能な限りたくさんの人と目を合わせて一緒にライブをしました。そこにいた全員が「5人目のTOTALFATメンバー」なんです。
今回のツアーは今までで一番シンドくて、心も体も何度も折れそうになったけど、そんなときにしっかり僕らを支えてエネルギーを与えてくれたのが「5人目のメンバー」でした。事あるごとにみんなに救われて、元気をもらって、ライブ終わったあと「TOTALFATありがとう!」って叫ぶ人いるけど、こっちの方が言いたいわ。
「ありがとう!」
高校2年の春にメンバーと出逢ってバンド始めて、何度も何度もZEPPにライブを観に行きました。
Hi-STANDARD, BRAHMAN, SCAFULKING, HUSKING BEE, BACK DROP BOMB, NOFX....
自分がそこでワンマンをやるなんて思ってなかったし、周りの誰も想像し得なかったですよね。
でもね、10年という歳月は誰も想像しなかったことを実現するに足りる時間なんです。(実際は13年かかったけどw)
ただひとつの条件は「続けること」、これだけね!
何かの道に迷っている、確信や自信が持てない、不安、みんなそう。
僕らも含めてほとんどのバンドマンがみんなそう。
こんな時代だから普通に生きてりゃ常に「崖っぷち感」が半端なくて、「1年後の自分」がどーなっちゃうか解らな過ぎて心折れるよ。
でもそれが逆に可能性だったりもして、迷ってる時点で選択肢に恵まれていたり、悩む程の余分な体力があったり、劣等感を感じる程に比較対象の良い憧れがいたりするんだよね。
考え方次第で自己の内面を信じて可能性に換えて行くことが「続けていくこと」に繋がるんだと実感して、最後に良い答えがたくさん生み出せた最高のツアーでした。
その新たに生み出した「答え」を素に、今日からまた曲と歌詞を書いてみます。
1曲だけZEPPで披露した新曲「Stable Heart」どうだったかな?
まだ見ぬ次回作をみんなのところへ届けられるようにこれからも頑張っていきます!
僕たちはステージの上で嘘をつけません。
嘘をついたとしてもそれは音と姿に表れて、メッセージは霞み、説得力は失墜します。
今回のツアー各地のステージで見せたTOTALFATの姿と音、ファイナルで伝えた僕らの意志、それらに何かを感じて心が少しでも奮えたようであれば、また僕らのライブに来てみてください!
もっとカッコ良くなって大きくなってまた皆さんの街へ行かせてください!
「Wicked Friends, Be Naked!! Tour 2012」
各公演にお越しくださった皆さん、
一緒にツアーを回ってくれた全バンドマン、
関係者の皆さん、スタッフ、メンバー
全員で成功させたツアーに心から感謝です。
ありがとうございました!!!!
最後に、お決まりの〜
We are...... TF!!
これからもTOTALFATを宜しくお願いします!
P.S: ファイナルの映像がどーなるか・・・お楽しみに〜。ルルル♪
あと、年明けの「PUNISHER'S NIGHT 2013」もお楽しみに!
ライブハウスでまた会いましょね♬
Shun